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身近なものから考えるきっかけを。グラスゴー大学がスターウォーズ哲学の授業を開講。

英国のグラスゴー大学は、500年以上の歴史を有する英語圏最古の大学の一つである。その大学が2017年5月に、スターウォーズを用いた哲学入門の授業を一般向けに開講するという。授業の名前は、スターウォーズと哲学:運命、正義、フォースの形而上学である。

Photo by starwarsunderworld 

スターウォーズと哲学

スターウォーズは1977年の「エピソード4/大いなる希望」公開以来今日に至るまで世界的ヒットを記録したシリーズ作で、その名を知らない人はいないだろう。

そんなスターウォーズと哲学はどのように結びつくのだろうか。担当講師であるJohn Donaldson氏は、壮大な宇宙ドラマを手掛かりに人間の「自由意志」や「道徳的責任」について考える授業を予定している。

以下は、グラスゴー大学の授業案内である。

スターウォーズの宇宙の中では神秘的な力であるフォースがすべてを支配し個人と文明の運命を導いている。しかし人に運命があるという考え、つまりある決まった未来があるという考えは、「人の行為が本当はどれだけ自由であるか」「やることが決まっていた行為について、人はどれくらい責任を負うべきなのだろうか」ということについて何を伝えているのだろうか?このイベントではこうした事柄を扱う。またそれに関連して「決まった未来があること、自由意志、道徳的な賞罰はどのように関係しているのか?」といった問題についても検討しよう。もちろん、はるか銀河系のかなたで善が悪に打ち勝つというジョージ・ルーカスの物語を舞台にしながら。

この授業は、大いなる力(スターウォーズであれば「フォース」)が人の運命を支配するときに、人が自分の行為にどれだけの責任を負うことができるかという道徳的なテーマを扱っている。

スターウォーズは自由と運命の間で苦しむ主人公の物語である。悪側にせよ善側にせよ、登場人物は常に自らの強い意志で船の行き先やすべきことの選択、決定をしているように見える。しかしその自由の背後にはフォースという偉大で揺るぎない力が存在し、登場人物は自らの意志とは無関係にその力に導かれたり翻弄されたりするのである。

このテーマは、決してスターウォーズに固有のものではない。実は哲学や神学でいまだに論争が続く決定論と自由論の重要な問題である。

身近なものから考えるきっかけを

Donaldson氏は過去にも米国のテレビドラマ 「ザ・ソプラノズ」や人気アニメ「ザ・シンプソンズ」をつかった哲学の授業を開講している。

Photo credit GlasgowLive

Photo credit  Glasgow Live

BBCによると、Donaldson氏はこのようなクラスを開講する目的を次のように語る。

これは、哲学をより身近に感じるための一つの方法。大学で哲学が隠されがちであるのは不幸な事実です。
例えばテレビでは、他の学問的な主題と違って哲学に関する番組を見ることはできないのです。
これ〔このような試み〕が人々を巻き込むことになり、人々が一層哲学に興味をもってくれることを願っています。

Donaldson氏はわたしたちが普段慣れ親しんでいるものから問いを抽出し考えるきっかけを与えている。哲学すること(思考すること)は近寄りがたいアカデミズムや特権階級のものではないのだ。

最近では日本でもポップの歌詞を哲学的に考える本などが書店で見られるようになった。

これらを参考に慣れ親しんだものの中に隠れている哲学と向き合ってみてはいかがだろうか。

 


▶︎参考記事
BBC: University of Glasgow offers Star Wars philosophy course
GlasgowLive: Glasgow University to offer philosophy courses based on Star Wars films